競馬AI開発記録・第6話|地方競馬の仮想テスト。この記事の購入額・払戻・損益は、すべて仮想の記録です。
地方競馬でも、AIのテストを始めた。
過去のレースを使った検証から、これから走るレースの前に予想を残して、結果を待つ段階へ。実際の馬券は買わず、「この条件なら買う」を記録している。
で、儲かるの?
今回の比較実験では、現行条件で560円のマイナスだった。
まあ、始めた途端にお金が増えるほど甘くはなかった。
地方14場を対象に、発走前の予想を記録する
テストの対象は、ばんえい帯広を除く地方14場。競馬場ごとのモデルと条件を固定して、仮想購入を記録する仕組みを用意した。
14場を対象にしたからといって、全場で十分な成績が集まったわけではない。開催や記録状況も違うので、「どこの競馬場が得意か」を決めるのはまだ先だ。
今回は、その本線の記録を使って、購入条件を変えたらどうなるかも別に比べている。開発側ではshadow実験という名前になっている。本線を変えずに、横で別の条件を試すようなものだ。
こちらの比較は2026年9月23日に開始した。
買う条件を厳しくしたら、成績は良くなる?
比べているのは、次の4つ。
| 方式 | 試していること |
|---|---|
| 現行条件 | AIの予想勝率×オッズが1.10以上なら仮想購入 |
| 条件を厳しくする | 同じ計算で1.20以上のときだけ仮想購入 |
| 勝率を共通補正 | 予想勝率を全場共通の式で補正し、1.10以上なら仮想購入 |
| 勝率を場別補正 | 共通補正に競馬場別の補正も加え、1.10以上なら仮想購入 |
この「勝率×オッズ」は、予想した勝率に対してオッズが見合っているかを見るための数字。ただし、AIが出した勝率そのものがズレていたら、計算結果もズレる。
1.10だから必ず10%儲かる、という意味ではない。
補正は、その勝率のズレを小さくできるか試すもの。補正の式は事前に固定している。今回の結果を見て都合よく書き換える比較にはしない。
4方式は、同じレース、同じ馬、同じオッズで比べる。馬を選び直すのではなく、その馬を買うか見送るかの違いを見る。
金額は単勝1件100円。これは今回の仮想実験の設定で、1万円のAI財布を実際に動かすときの賭け金ルールを決めたわけではない。
初日の記録は、4方式ともマイナス
9月23日23時16分時点の保存データでは、同時比較できたのは46レースだった。
| 方式 | 仮想購入件数 | 仮想購入額 | 仮想払戻 | 仮想損益 | 回収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現行条件 | 17件 | 1,700円 | 1,140円 | −560円 | 67.1% |
| 条件を厳しくする | 14件 | 1,400円 | 770円 | −630円 | 55.0% |
| 勝率を共通補正 | 17件 | 1,700円 | 1,140円 | −560円 | 67.1% |
| 勝率を場別補正 | 15件 | 1,500円 | 770円 | −730円 | 51.3% |
各方式の購入分は、この時点ですべて精算済み。回収率は仮想払戻÷仮想購入額で計算している。4方式は別々の比較なので、購入額を足して一つの財布の支出にはしない。
現行条件は17件中3件の的中。的中率は約17.6%だった。
条件を厳しくした方は、買う数が減った。でも、この日の損益は良くならなかった。
厳しく選べば強くなる、とは限らないらしい。少なくとも今回の記録ではそうなっている。
ただ、まだ初日だ。これだけで「補正は無駄」「現行条件が正解」と決めるつもりもない。全方式がマイナスなのも含めて、そのまま残しておく。
記録できなかった13レースも残す
比較できた46レースとは別に、比較用の記録を残せなかったレースが13件あった。
この仕組みでは、発走10分前から60秒以内に比較用の記録を保存できた場合だけ採用する。間に合わなかった分を、結果が分かったあとから埋めることはしない。
13件それぞれの理由の内訳は、今回の記事ではまだ確認できていない。全部を同じ原因だったことにはしない。
また、比較対象46レースのうち、正常な結果として解決済みなのは44レース。残り2レースは4方式とも購入分には含まれていない。未解決の結果を「外れ」や「損益ゼロ」として扱わないように分けている。
つまり今回の表は、地方競馬の全レースの成績でも、本線の全期間の成績でもない。今回の比較に参加できたレースのうち、各条件で仮想購入した分の結果だ。
予想の当たり外れだけでなく、レース前にちゃんと記録できるかもテストのうち。ここも確認していく。
1万円のAI財布とは、まだ別の数字
今回の560円のマイナスを、企画の1万円から引いて「残高9,440円」とはしない。
これは独立した仮想比較の結果で、実際のAI財布から出ていったお金ではないからだ。
前回の仮想財布の記事でも書いたけど、予想の成績と、本当に使ったお金は分けておきたい。ボクが自分で買う馬券も別だ。
目標は、1万円からAI財布の実残高1億円。
今はまだ、その手前で条件を固定して記録を増やしているところ。次は同じ条件を続けた結果と、記録できなかったレースの理由を見ていく。
楽して儲けたいのに、確認することは増えている。
とりあえず、地方競馬のテストもこのまま続ける。
