競馬AI開発記録・第3話|特徴量の追加と仮想成績
前回の検証では、基準にしている競馬AIの回収率は98.24%だった。
あと少しに見える。じゃあ、予想の材料を増やしたらどうなるのか。
今回は、過去の走る速さと、どんな相手と走ってきたかを追加した実験の記録だ。
結果には145.71%という数字が出ている。ただし、過去データで条件を満たした35件の仮想購入の話。実際にお金が増えたわけではない。
追加した特徴量|速さと対戦相手の評価
ボクも馬柱や前走内容は見る。でも、その内容を毎回同じ基準で比べられているかというと、怪しい。
その辺を数字にして、AIの材料に足してみた。
追加したのは大きく3種類ある。
- 過去の対戦結果から更新する、馬の評価と出走経験。
- 最近対戦した相手の評価。
- 過去の条件別の平均と比べた速さ。その平均や最良値、材料が何件あるか。
「特徴量」という、AIが予想するときに見る材料を7項目追加している。
ただ、速さの数字は、この開発で試しに作ったもの。十分に検証されたスピード指数が完成した、という話ではない。過去の条件別平均との差を使っている段階だ。
数字を保存するところで止まっていた
この実験には、結果が出る前の失敗も残っている。
追加した指標の件数を保存するときに、数値の型が合わず、処理が止まった。
ボクから見ると件数は件数なんだけど、プログラムの中では同じ整数でも種類が違うらしい。集計に使う仕組みの整数を、そのままJSONという記録形式に保存できなかった。
修正内容は、保存前にPython標準の整数へ変換すること。その後の実行では、2022〜2026年分の比較が完了している。失敗した実行のフォルダーも残してある。
予想以前に、結果を保存できないところで止まる。こういう作業も含めての開発だ。
3つの方式を試した結果
比較対象は2022年1月1日〜2026年8月30日の14,525レース。各年より前のデータで学習し、同じ対象レースを使っている。
単勝で予想1位の馬を選び、予想勝率×オッズが1.10以上なら100円を仮想購入する。ここも前回と共通だ。
| 方式 | 購入件数 | 的中件数 | 仮想購入額 | 仮想払戻額 | 仮想損益 | 回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 基準の方式 | 346 | 86 | 34,600円 | 33,990円 | −610円 | 98.24% |
| 追加情報を使う線形モデル | 491 | 124 | 49,100円 | 46,750円 | −2,350円 | 95.21% |
| 追加情報を使う木モデル | 51 | 12 | 5,100円 | 4,340円 | −760円 | 85.10% |
| 基準と追加情報の木モデルを半分ずつ混ぜる | 35 | 11 | 3,500円 | 5,100円 | +1,600円 | 145.71% |
線形モデルは、材料ごとの重みを学ぶ方式。木モデルは、条件を分けながら学ぶ方式だ。
材料を増やした2つの単独モデルは、どちらも100%を下回った。混ぜた方式だけがプラスになっている。
どれも同じレースを調べているけど、購入条件を満たす馬は変わる。購入額が違うのはそのためで、この表の金額を全部合算して運用成績にはしない。
145.71%の中身を、年ごとに見る
よかった方式を年ごとに分けると、こうなる。
| 年 | 購入件数 | 的中件数 | 仮想購入額 | 仮想払戻額 | 回収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022 | 18 | 5 | 1,800円 | 2,260円 | 125.56% |
| 2023 | 9 | 4 | 900円 | 1,920円 | 213.33% |
| 2024 | 4 | 1 | 400円 | 410円 | 102.50% |
| 2025 | 4 | 1 | 400円 | 510円 | 127.50% |
| 2026年8月30日まで | 0 | 0 | 0円 | 0円 | 算出なし |
2023年は200%を超えている。でも9件だ。2024年と2025年はそれぞれ4件。2026年分に至っては、条件を満たす購入がない。
通算35件で11件的中。購入した候補の的中率は31.43%になる。
数字だけなら気になるけど、この少なさで「これからも145%で回る」とは言えない。2026年の回収率を0%と書くのも違う。買っていないので、計算する分母がない。
まだ、勝てる材料が見つかったとは言えない
今回も、すでに何度か調べている過去の期間を使っている。まったく見ていない期間で、最後に一度だけ試した結果ではない。
対象レースの選び方や、確定後の情報を含む元データの制約も引き継いでいる。材料を足した効果だけを、実戦でも再現できると確認したわけではない。
この実験による本番モデルの切り替えはしていない。
ボクとしては、145%という数字は気になる。でも、材料を増やしたら全部よくなるわけではなかったし、よかった方式も購入は35件。
この結果を候補として残して、まだ見ていないレースでも通用するか確かめる必要がある。
次に見るのは展開の材料を足した実験。先行する馬が多いとか、そういうところまで見ると、もう少し変わるんだろうか。
記録:EXP0002/EXP0005。2026年9月15日時点の保存ログを使用。金額はすべて過去データでの仮想計算。AI財布の実残高には加算しない。